よく動き、よく学び、よく遊ぶ。

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~IT系ランナーの日記~

「HHKB Professional HYBRID Type-S」を数カ月使った感想

アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。

馬は消耗品であり、鞍は自分の体になじんだインタフェースだからだ。

いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることをわすれてはいけない。

                   東京大学 名誉教授 和田栄一

 

 

みなさんはキーボードやマウスにこだわりがありますか?

 

私はキーボードが結構好きで、去年35,000円もするキーボードを買ってしまいました。

 

 

 

このキーボードがなかなか良かったので、キーボードの紹介と使ってみた感想をまとめました。

 

 

 

1.買った商品について

Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S 英語配列/白

 買ったのはHHKBの「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S 英語配列/白」です。

 

 HHKBとは富士通の子会社PFUが販売する高級キーボードのブランドです。

 

このHHKBは「プロが必要とするキーのみをタイピングしやすい位置に配置する」という理念に基づき開発されており、テンキーやファンクションキー、矢印キーなど、一般的なPCキーボードに搭載されているキーを極力取り除き、必要最低限のキーのみで構成されているのが大きな特徴です。

 

 

私が買ったHYBRID Type-Sは昨年の12月に発売されたばかりのHHKB最上位モデルで、以下のような特徴があります。

  • 耐久性、打鍵感に優れた静電容量無接点方式
  • Bluetooth接続で最大4台の端末を同時ペアリング
  • USB Type-Cによる有線接続
  • キーマップのカスタマイズ機能
  • 優れた静穏性

 

 

2.良い点

①キーカスタマイズ機能が優秀

このキーボードでは好みの反映、最速追及、タイピング競技やeスポーツのための最適化など、よりプロフェッショナルなマイ・キーボード構築が可能になっています。

 

まずはDIPスイッチです。このスイッチは背面に搭載されており、各スイッチをオン・オフすることでWindowsMacなどそれぞれのOSに最適な操作が行えるようになります。

 

私はWinモードにして、deleteキーをBSキーに、WindowsキーをFnキーにしています。

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背面のDIPスイッチ

 

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DIPスイッチの対応表

 

 

次はキーマップ変更ツールです。

(※現在、Windowsのみ。Macは2020年5月頃に公開予定。)

 

このツールによって、従来のDIPスイッチではできなかった高度なキーマップ変更できるようになりました。キーマップ変更設定はHHKB本体に保存されるため、他のデバイスでも同じキーマップで使用できます。

 

変更はツール上に表示されたHHKBのキー配列図に対してドラッグアンドドロップで直感的に設定できます。

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キーマップ変更ツールの操作画面

 


通常の配置だけでなく、Fnキー押下時のキーマップの変更も可能となっています。

 

私はカーソル移動時にホームポジションからできるだけ手を動かしたくないので、右手ホームポジションにカーソルキーを割り当ててます。

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Fn押下時のキーマップ


素晴らしい機能ですが、ひとつ注文を付けるとしたらショートカット(Ctrl+Shift+Nなど)を1キーで使えるようなマクロの設定に対応してほしいです。

 

 

②接続デバイスの切り替えが早くて簡単

 HYBRID Type-SはBluetooth接続とUSB接続が可能です。

 

バイスの切り替えはFn+Ctrl+0、1~4で行います。0がUSB接続、1~4があらかじめ割り当てたデバイスBluetooth接続になります。

 

私は学生時代、自宅PC、研究室PC、タブレットの3デバイスをHHKBにつなげて使っていましたが、切り替えに要する時間は約1~3秒ほどでした。

 

 Bluetooth接続時のチャタリングや入力遅延もほとんど発生しないので接続に関するストレスはほとんど感じていません。

 

 USB接続も今どきのType-Cなので耐久性、接続のしやすさは良いです。USB接続する際はL字のケーブルがあればコンパクトで良さそうです。

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USB Type-C接続

 

③とくかく小さくて軽い

いつでもどこでも同じキーボードで打ちたい人にとって、持ち運びのしやすさはとても重要です。

 

このキーボードは余計なキーがなく非常にコンパクトで、通常サイズのキャンパスノートと比較しても少し長いくらいです。

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非常にコンパクト(294(W)×120(D)×40(H)mm)

 

重さも単三電池2本込みで、581.5gとペットボトル1本ちょいぐらいの重さです。

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重量(電池込み)

 

 このキーボードを買ってから大学に毎日のように持って行ってましたが、カバンにいれて持ち運ぶ分には全く気にならなかったです。

 

 

3.悪い点

①思ったほど静かじゃない

モデル名の「Type-S」は高速タイピング性(Speed)と静粛性(Silent)からきていますが、個人的にはそんなに静粛性があるとは感じられませんでした。

 

以前使っていた青軸キーボードよりは確かに静かにはなりましたが、思ってたほどではなかったかなと思います。

 

ただタイピング音は「ガチャガチャ」としたものではなく、「スコスコ」した音で心地よく、リズムに乗ってタイピングできます。

 

打鍵の強さや音の大きさには個人差があると思いますので、一度試打されることをおすすめします。

 

 

②電池ケースがダサい

このキーボードは単三電池2本で動きます。

 

上部の出っ張りに電池が収納されているのですが、はっきりいってこの出っ張りはダサいと思います。

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本体上部の電池ケース

充電バッテリー方式を用いるとバッテリーがへたってしまった時に使えなくなるので、乾電池方式を採用しているみたいですが、できれば電池は内部に収納できるようにしてほしかったです。

 

ただ電池の持ちはかなり良さそうです。5ヵ月たった現在でも電池残量が100%でした。(ほんとに100%なのは怪しい....)

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電池残量

 

 ③ストロークが少し深い

試打もしないで買っておいて、こんなこというのもなんですが、少しストロークが深すぎると感じました。

 

このキーボードは押下圧が45g、ストロークが3.8mmです。

 

押下圧は重すぎず、軽すぎない感じでちょうどよかったですが、ストロークは思っていたより深いので、跳ね返りの遅さと他のキーへの引っ掛かりやすさが気になりました。

 

REALFORCE」のようにキーストロークを調整できる機構があれば良かったかなと思います。

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REALFORCEのキースペーサー(パソコン工房NEXMAG https://www.pc-koubou.jp/magazine/1533

 

④値段が高い

税込35,200円。高い。安くしてくれ!!

 

 

 

4.最後に 

この記事もHHKB HYBRID Type-Sで書いてますが、ほんとうに気持ちよくタイピングできるキーボードです。

 

特殊なキーボードで使いずらそうと思う方もいらっしゃるかと思いますが、慣れれば普通のキーボードと同じように扱うことができます。私も初めてのHHKB、初めてのUS配列でしたが1~2週間である程度使えるようになりました。

 

HHKBでは現在、今回紹介した「HYBRID Type-S」のほかに、「HYBRID」、「Classic」の3モデルがあります。各モデルの色は白/黒、配列は英語(無刻印モデルもあり)/日本語などが用意されています。

 

 

気になった方はぜひ、PFU公式サイトで調べてみてください。

 

PFU HHKB Professional HYBRID 英語配列/墨 PD-KB800B

PFU HHKB Professional HYBRID 英語配列/墨 PD-KB800B

  • メディア: エレクトロニクス